これまで出会った人たちから感じた
“学力よりも大切なもの”とは?
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取材で感じた“学力ばかりがそんなに重要?”
— 高卒で後悔したことはないとおっしゃっていましたが、学歴にまつわることで嫌な思いをしたこともないですか?
テレビの仕事でテレビ局のスタッフと仕事をするようになって、初めて「大学へ行ってる人が圧倒的に多いんだな」って驚いたんです。
同じ大学出身という繋がりの大きさだったり、その大学を出ているだけである程度、キャラクターが決められてしまったりするという世界も新鮮でした。「どこの大学?」って聞かれるけど、中学とか高校も聞いてよって思ったりして(笑)。
でも、嫌な思いをしたり、行かなかったことを後悔したりしたことはないですね。学歴、学力がなくても、こうやって仕事を続けられていることもあって、あまり考えずにきました。
むしろ教育番組に関わってからは、「学力ばかりが、そんなに重要だろうか?」と感じることも多かったんです。
千葉テレビの教育番組ゆえに、毎週、千葉県内の様々な施設や学校を取材していたので すが、その一環で、養護学校や障害のあるお子さんを取材することがありました。
取材先で「あさがさんどこからきたの?」って聞かれて、「幡ヶ谷だよ」って答えると、「じゃあ、○○駅の○番線から電車に乗ってここまで来たんだね」とか、誕生日を言ったら「生まれた日は水曜日だね」ってすぐに言えるような子がたくさんいたんです。
散歩から帰ってきたら、見てきたものをまるで写真に撮ったかのような絵を描く子がいたり…。みんな色々な才能を持っていました。
もちろん、先生や親御さんの大変な姿もたくさん見たのですが、そういう子どもたちと接する中で「学力ってそんなに大切なものだろうか」とか「普通ってなんだろう」「何が幸せなんだろう」ということをたくさん考えさせられたんです。
それよりもやっぱり“人間力”が大事だということは、子どもたちだけでなく、これまでたくさんの人にお会いする中でも強く感じることです。
高卒で活躍する友人たちに共通していること
— これまで取材などでもたくさんの方に会われていますよね。
高卒で優秀な企業のトップの方もたくさんいますし、私自身、役者や芸人など、大学を出ていない友人が多いのですが、みんなコンプレックスを抱いていないし、大学に行かなくて後悔したっていう話は聞かないです。
それこそ学歴の話で言うと、いちいち「高卒なんですけど」とか「三流大学出身なんで」とか言う人がいますが、聞いていてイヤになっちゃいます。
あれができない、これを持っていない、ではなく、あれができる、これも持ってるって捉えた方が自分も楽だし、この人と一緒に仕事をして楽しかったと思えますよね。
高校を辞めて世界を放浪した後、ミュージシャンから独学で家電の設計や製造を学び、活躍している友人は、昔、同じ事務所に所属していた頃からのつき合いですが、彼を見ていてもやっぱり人間力だと感じますね。
学歴に関係なく活躍している人たちに共通していることがあるとしたら、みんな「人との出会いを大事にしている」ということです。
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[所属事務所によるプロフィール]
[あさがさんが理事を務める日本収納検定協会のホームページ]