大学や専門学校以外に行かなくても
アナウンサーになる方法はあります
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–アナウンサーというと、「○○大のミスキャンパス」などを経てテレビ局に入社した人が多いというイメージがありますが、やはり、あさがさんのような経歴は珍しいのでしょうか?
“ニュースの読めないアナウンサー”ではありますが(笑)、確かにアナウンサーやラジオのパーソナリティー、レポーターなどの中で、演劇からスタートしている私は異端児かもしれません。
一般社団法人 日本アナウンス協会にも所属させていただき、フリーアナウンサーという肩書で仕事をしているものの、以前はそれこそ有名大学も出ていないし、局アナ(テレビ局のアナウンサー)出身でもないことに小さなコンプレックスがありました。
でも、そんなふうにコンプレックスを抱いたまま現場に行くのは、仕事を振ってくれた方に申し訳ないなと。
それにフリーアナウンサーでも仕事がなくて苦戦している方もいる中、年間100本から150本もMC(司会進行)の仕事をやらせていただいているので、そこは自分を褒めてあげていいのかな、と思えるようになりました。
–アナウンサーやレポーターになりたい場合、大学卒業後にテレビ局やラジオ局の入社試験を受けるというのが思い浮かびますが、大学に行かないとしたらどんな方法がありますか?
色々な方法があります。私自身、大学に行かないで、20年以上、この仕事を続けることができました。
特に今はSNSで発信できるので、いくらでも自分の声や話す技術を売り込むことができる時代です。
あくまでも私の考えですが、アナウンスの専門学校に行くよりも、ボイスサンプルを作って、事務所やプロダクションの門を叩いた方がいいと思います。
–演劇からスタートした強みはありますか?
「表現力が豊かだ」と言っていただけるのは、演劇で培った力のおかげです。
それに今、イベントのMCなどに呼んでいただけるのは、フリートークやその場の空気を作り、場を回すことが得意だからだと自負しています。
これはラジオの生中継を15年近くやってきた経験のおかげです。毎週、事前に30人ぐらいに声をかけて取材をした上で生中継に臨んできたから、現場に来ている人たちが何を求めているかを察知する力がついたんです。
やってきたことって、どこかでつながっていくのだと思います。
–話すプロとして、大切にしていることはなんでしょう?
1つは言い訳をしないこと。例えば風邪をひいてしまった時、「今日はお聞き苦しいところがあるかもしれませんが…」と言いがちですが、それはプロとして言ってはいけないことだとです。シェフが「今日は右手を怪我していて、美味しい料理を作れないかもしれません」とは言わないですよね?
どんなに経験が浅くてもプロとして仕事を請け負った以上、司会だったら大御所のみのもんたさんぐらいの心構えで仕事するべきです。
私自身、仕事の前に点滴を打って次の現場に行く、というようなこともありましたが、見てくださる方、聴いてくださる方にはそれを感じさせてはいけないと思っています。
もう1つは楽しむことです。MCもラジオも講師も一方向のインフォメーションでは絶対に心に響きません。一人で喋っていても、見えない相手に話しかけて双方向のコミュニケーションになるようにやっていくことが大切にです。
話す仕事をめざす人には、喋りがうまいだけではなく、コミュニケーションがいかに取れるかがとても大事なんだということをぜひ伝えたいですね。
[所属事務所によるプロフィール]
[あさがさんが理事を務める日本収納検定協会のホームページ]