[2]シェアハウスに住んだことで人生の選択肢が増えました

尾和恵美加さん
尾和 恵美加さん(おわえみかさん)
株式会社Bulldozer 代表取締役運転手 パラダイムシフター(時の芸術家)

【インタビュー1】から読む

高校受験も大学受験も失敗。就活で挽回しようと思った

––前回、中高生に向けてお話いただきましたが、尾和さんはどんな中学生、高校生でしたか?

生徒会などはやっていた時もあったものの、今のような行動力は全然なかったです。みんなでワイワイやっているよりも少人数のグループで過ごしているタイプでした。

特に小学校、中学校の時はアトピーがひどかったから、自分の力を試してみたい一方で、なるべく目立ちたくないって思っていましたね。

––意外ですね。では、起業している現在につながるような転機というのは、いつだったのでしょう?

高校も大学も第一志望の学校に入れず、当時はずっとコンプレックスがありました。特に大学は浪人しても結局、希望の大学に入れなかったんです。まわりは推薦入試で入学した子が多かったので、浪人までして推薦で入った人と一緒なのかっていう悔しい気持ちがありましたね。

だから、ずっと自信がなくて、それを挽回したいと思ったのが就活でした。周りからは笑われましたが、アメリカンドリームだと思ってやっていました(笑)。

就活目前で将来像を描いているときに思い出したのは、高校3年生の時、父の仕事のつながりで、外資系投資銀行の東京オフィスで行われたイベントに参加した時のことです。オフィスは六本木ヒルズにあり、案内してくれた方は外国人で日本語もペラペラ。「超カッコいい!」と憧れたんです。

それまで外資系の企業なんて全く別世界でしたが、学校のキャリアセンターにあった卒業生の就職先リストの中に、その企業名がありました。調べていくうちに「自分にだって入れるかもしれない」と可能性や希望が見えて、実際に選択肢になっていきました。

就活ではとにかくOB、OG訪問を50回はして、足で情報を集め、アクションしていきました。当時は、携帯ではなく、その方の実家の電話にかけなければいけなかったんです。緊張しました(笑)。

さらに企業の選考で使われるSPIという適性検査の対策本を10周ぐらいやったと思います。「ベター」で満足するのではなく、自分にとっての「ベスト」な未来に向かって、どんどんアクセスしていくという、現在の仕事のやり方はこの時に培われたものです。

それでも最終面接までいったのは2社でしたが、その1つが入社した外資系コンサルティング会社でした。内定をもらった時は本当にうれしかったし、この経験でようやく自分に自信が持てるようになりました。

大学を出て就職することに疑問を持たなかった

––そんな会社をやめて休職して留学し、その後、起業されたんですよね。退職という選択はどのタイミングで出てきたのですか?

実は入社して早い段階で「もしかしたら、自分の理想とは少し違うかも」と思い始めていました。

これは、仕事でパフォーマンスが出せなかったことのほか、就職と同時にシェアハウスに住み始めたことが大きかったと思います。

それまでは大学を出て就職することに疑問を持たなかったし、会社ではいわゆる出世コースに乗るのが目標でした。親もサラリーマンだったので、他の道を考えたことがなかったんです。

でも、シェアハウスには、専門学校を出てフリーのデザイナーをやっている人や、大学院卒で正社員にならずに飲食店を経営している人、大学生で起業している人など、とにかくいろいろな人がいて、「すべて自分で選択して生きるのって楽しそうだな」と刺激を受けました。

それまで起業なんて考えたこともなかったのですが、そんな環境の中で、自然と選択肢の1つになったんですね。

外資系企業でキャリアアップしていくことが大学時代は理想だったのですが、自分には少し物足りなく思えてきて、他の生き方もあるんじゃないか?と思うようになりました。

「人は環境で作られる」と思っているので、自分が面白いと思える環境にいることが大事だと思ったのも理由です。

––-シェアハウスが転機になったんですね。

そうですね。シェアハウスの家賃が10万円ぐらいで、社会人1年目のお給料では勇気がいりましたし、やりくりもきつかったです。食費を含めた生活費を毎週2500円以内にしてやりくりしていました。

でも、あの時、自分の直感に従って勇気を出してシェアハウスに住んだ結果、人生の新しい選択肢が増えるきっかけになりました。

やはり選択肢がないと、「なんか今の生き方は違うな」と思っていても、正解らしい姿がイメージできないと思うんです。学生のうちは親や親戚など、まわりの人の職業や進路が選択肢になってしまいがちです。私も親はサラリーマンだったし、まわりもみんな大学を出て入社していて、それが当たり前だと思っていたんです。

そういう意味では、中学生や高校生の時に色々な生き方をしている大人に会いに行ってみた方がいいと思います。今は、TwitterなどのSNSを活用すれば、いくらでも会いたい大人に会うためのきっかけは作れるわけですから。


【インタビュー3】に続く

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