ベンチャーでは学歴よりも “大学で何をやってきたか”が大切

体育大出身であることはメリットしかない

船津宏樹さん
船津宏樹(ふなつ ひろき)さん 1986年生まれ
株式会社センシンロボティクス 
ビジネス開発 カスタマーサクセス担当部長

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–2015年からドローンの事業を担当されているそうですが、現在のお仕事の内容は?

今、ドローンは、工場やプラント、製油所、製鉄所などの点検に使われています。今までは点検が大変だった場所です。

弊社の自動航行のソフトと映像を伝送する技術を組み合わせて運用するのですが、多くはドローンの操作もお客様ご自身ができる体制を作っていただきます。もちろん、弊社の社員を派遣するケースもあります。

僕が担当しているのはカスタマーサクセスと言って、導入した会社が実務運用できるように併走をしていく役割で、実証実験や実務運用する方に研修を行います。企業への新規営業も行っています。

–船津さんの場合、大学で学んだこととは全く違うジャンルの道に進んでいるわけですよね。入社してから、体育大出身であることがデメリットになることはありましたか?

先ほど言ったパソコンの知識ぐらいで、ほとんどメリットしかないです。特に体育大出身ということで覚えていただきやすいのは、お客様を相手にする仕事ではメリットですね。

会社の経営陣に慶應大学出身者が多いので、よく「船津さんも慶應ですか?」と聞かれるんですが、「僕は体育会系なので」と答えています(笑)。そこから話題が広がることも多いですし、コンプレックスに感じることもありません。

–他のメリットというのは、どんなことでしょうか?

大学時代を振り返ると、水泳部に所属してとにかく頑張った4年間でした。

毎日、朝に10km近く泳ぎ、昼に筋トレやウエイトトレーニングをして、夜にまた10km泳ぎます。自分を追い込み、大げさでなく、生きるか死ぬかぐらいの練習をしていました。その間に授業に出るんです。

水泳は四角いプールの中を黙々と泳ぐ、ある意味単調なスポーツです。僕の就活時に代表だった間下も水泳部出身なので、「あの練習をくり返しやれるのだから、たいていのことは乗り越えられる。しかも、記録も出しているのだから大丈夫だろう」と考えて採用したと聞きました。

実際、体力には自信があるし、ちょっとしたことでは苦しいと思わないので、仕事がどんなに大変な状況でもつらいと思ったことがないんです。大学で水泳に本気で取り組んだことは、仕事をする上で強みになっています。

委員会や生徒会の経験が仕事に役立っている

–水泳や体育に関すること以外で、大学時代に経験しておいてよかったことはありますか?

日体大では水泳部の中で競泳、飛び込み、水球などに分かれていて、そうしたいくつかの団体をまとめる委員会という組織で副部長をやっていました。

仕事で言うとマネジメントと同じで、人をまとめるとか、大勢を相手に企画をして運営するという経験を、社会人になる前にできたのはよかったですね。

僕が今、勤めている会社は、現在、会長を務める間下が学生時代に起業した会社ですが、起業というのはとても難しいことで、ハードを自分で作る知識や技術がないとできないと思っている人が多いと思います。

でも、実際は自分にできないことでも別の会社と連携して実現していく力さえあればいい。どんな技術を組み合わせるか、どういう人に加わってもらうかなど、何が必要かを考えて工夫していけば、新しいサービスを生み出すことができます。

そうやって組み立てる能力は、部活の委員会で企画したり、課題にぶつかって解決したりしてきた経験でも身につけることができました。

中学、高校の経験なんて仕事に関係ないと思うかも知れませんが、中学や高校で生徒会や委員会で活動した経験も役立っています。

大学に行くメリットは、社会人になる前に
小さな組織を経験できること

–船津さんの場合は大学で学んだことと仕事が直結していないわけですが、大学には行った方がいいと思いますか?

日体大では教師やスポーツのインストラクター、スポーツジムのスタッフになる卒業生が多いのですが、僕の代は教師になったのは2人だけで、商社など企業に勤めている人が多いんです。

大学で学んだことと仕事は関係ないですが、それでも大学には行った方がいいと考えています。

それは社会人になる前に小さな組織を経験できるからです。特にやりたいことが見つかっていないから大学に進むという人も多いと思うのですが、高校で経験する集団よりも大きな集団で生活できるので、そこでの経験は高校と大きな違いがあるというのが理由です。

–もし、大学に行かない、行けないとしたら、どうすればいいと思いますか?

もし、大学に行かないのであれば、高校の時から視野を広げておいて、自分の強みをはっきりさせておくことが大切だと思います。

そういう意味ではやりたいことがあり、強みにできる経験や能力があるのなら大学に行かずに仕事を始めても大丈夫だと思いますし、その知識、経験が足りないから大学に行くという考え方もあると思います。

ベンチャーで求められる人とは?

–大学のランクとかレベルにこだわることについてはどう考えますか?

いわゆるいい大学に行けば、いい就職ができるとは思いませんし、出身大学と働いてからの充実は関係がないと思っています。

これはブイキューブで新卒採用の面接に関わった経験が大きいです。実際、面接では大学名よりもその大学で何をやってきたかを見ていましたし、何を学び、それをどう活かしてきたかが大切だと思います。

–ベンチャー企業で求められる人とは?

まず、受け身ではなく、能動的にやってきた人です。面接でのネタのために形だけ何かを経験した人は、1つのことしか語れないので、突っ込めばすぐバレてしまいます。

でも、自分で考えて行動してきた人、部活動や団体などで活動して実績を出してきた人は、話もストーリーがあるので伝わりやすいし、話し方も見た目も違います。

もう1つ大切なのは「こういうことをしたいんだ」という思いが強い人です。最近、新卒でも中途入社でも、「今、世の中ってこうじゃないですか?」と、ものごとを評論家的に見ている人が多いと感じます。

でもベンチャーで求められるのは、自分たちが世の中を変えていくこと。当事者意識を持って取り組める人に来て欲しいですね。

船津宏樹さん
仕事の話をとても楽しそうにされる姿が印象的でした

撮影:都築正知

インタビュー3に続く

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