インタビュー1から読む
独立して気づいた“自分が本当に得意なこと”
–経理の仕事をやめてハンドメイドで独立したわけですが、その後は順調でしたか?
資格取得後、すぐに教室を始めました。公民館の前でママたちにチラシを配ったり、ポスティングをしたり、ハンドメイドや起業している人が集まるイベントに参加したりしました。
今、資格取得から5年経ちますが、私1人でも子どもを2人育てられるぐらいの収入になっています。
やはり 「大量行動」と「継続」をモットーにたくさん行動したことや、すぐに結果が出なくてもあきらめなかったこと、経営塾などに通ってプロの意見をたくさん聞き、ハンドメイドに活かせることを積極的に取り入れたことが大きかったと思います。
–ハンドメイドは得意だったんですか?
全然です(笑)。でも、この仕事をやってみて、私は人に何かを教えることが好きだと気づいたんです。 ずっと忘れていたのですが、母に聞いたら幼稚園の頃からそうだったみたいです。
そういえば中学の時は部活の顧問に体育の先生になることを勧められたし、高校を卒業する時も友達に「先生 よりも、数学の教え方が分かりやすかった」と言われたんですよね。
今はロザフィに加え、紙に特殊加工を加えて作るフラワーアクセサリー「パピエル®」を商標登録して、この教 室や通信講座も始めました。
さらにハンドメイドで開業したい人向けのコンサルティングもやっています。
コンサルティングを始めたのは、自分自身が資格を取得したものの何をしたらいいか分からない、教室を始め たくてもどう集客すればいいか分からないと感じた経験がきっかけです。 試行錯誤して軌道にのせた経験を活かそうと思って始め、これまでに30人ぐらいにアドバイスを行いました。
OLの頃は仕事が好きではなかったけれど、今は仕事が趣味です(笑)。やはり自分が好きな「教える」という 仕事を、自分のペースでやれるのが楽しいです。
ムダな経験は1つもない
–充実した生活を送れている今、自分の選んできた進路や学歴についてはどう思いますか? 学歴で差別されたりということもあったわけですよね。
後悔はないですね。経理とハンドメイドは全く違うジャンルですが、経理という強みがあったからこそ一度、 出産で社会から離れていても再就職できましたし、起業にも役立っています。
すべてつながっていると思うし、そう考えるとムダな経験って1つもないと思います。
ただ、中学でもっと勉強しておけばよかったと思っています。女子高だったので、結局、共学の学校生活を経験できなかったからです。後悔していると言えば、それぐらいですね。
–新保さんは家族を大切にした働き方ができていることが満足につながっていますよね。高校生の時は就職のことを重視して大学進学を考えがちですが、色々な経験をしてきて、 大学は行った方がいいと思いますか?
自分自身の経験から、やりたいことが決まっているなら大学は必要ないと言い切れます。学びたい時に行けばいい。それこそ40代で行ってもいいと思うんです。
でもやりたいことが全く見つかっていないなら行くのもありかなとは思います。いい学校に行った方が世間は認めてくれるというのはありますよね。
学歴よりも人との出会いが今につながっている
ただ、私のようにシングルマザーの方も多いと思うので、やりたいことがないのに奨学金を借りてまで行く、 というのはどうだろうと思います。社会人になってから返済に追われて結婚したくてもできない、というような話を聞くと、考えてしまいますよね。
“学歴って何だろう”と考えてみると、勉強をしっかりやってきて知識がいっぱいある人、努力してきた人の目安かなと。決して仕事ができることとイコールではないですし、あっても損はしないけれど、なくてもやってい けるものだと思います。
今、好きな仕事に出会い、子どもとの生活を一番大切にした自分の理想とする働き方ができていますが、自分 のこれまでを振り返ってみて、何が影響しているかといえば人との出会いです。どんな場所でも、そこで出会う人とのご縁を大切にしてきたことが、今の自分をつくっていると思います。
新保さんのホームページ
※文章中の情報は、すべて取材時のものです。